アニサキスとは
アニサキスは、1~2センチ程度の寄生虫の名です。アニサキスの幼虫はヒトにも感染し、胃粘膜に噛みつくと腹痛などの症状を伴います。(アニサキス症)
サバやアジ、イワシ、イカなどを食べることで感染するケースがよく見られます。食後数時間以内に腹痛、吐き気・嘔吐などを伴って発症します。多くの場合は7日程度で死滅し、同時に症状も治まります。無症状のまま死滅に至ることもあります。
ただ、中には胃から十二指腸、小腸、大腸までアニサキスが移動することがあり、その場合は強い腹痛、さらには腸閉塞を引き起こすこともあります。
アニサキスの痛みについて
アニサキスは、寄生後3~4日で弱り始め、7日後には死滅します。その間、無症状あるいは軽度の腹痛などで、気づかずに過ごすことも少なくありません。
ただ、場合によっては激しい痛みを伴うことがあります。この激しい痛みの原因は、アニサキスが胃粘膜に噛みついた物理的刺激と、アニサキスが分泌する物質のアレルギーによる刺激だと言われています。
アニサキスが発見されやすい魚
- サバ
- アジ
- イワシ
- イカ
- サンマ
- サケ
※酢漬け、塩漬け、醤油漬けなどではアニサキスは死滅しません。
感染しないためにできること
- マイナス20度で24時間以上冷凍する
- 60度で1分以上または70度以上で加熱する
- 刺身で食べるときには新鮮なものを使用し、内臓をすぐに取り除く
- 口に運ぶときに目視する
アニサキスの検査・治療
アニサキスの検査
胃カメラ検査・大腸カメラ検査
胃カメラや大腸カメラといった内視鏡で直接的に確認する方法です。見つけ次第、内視鏡の先端から鉗子を出して取り除くことができます。
血清検査
血液から血清を分離し、免疫反応を調べます。補助的な検査です。
アニサキスの治療
胃アニサキスの治療
胃カメラ検査で胃にアニサキスを発見した場合には、その場で内視鏡の先端から鉗子を出し、取り除きます。
腸アニサキスの治療
アニサキスが腸にいる場合には、内服薬で症状の軽減を促します。
アニサキスアレルギーの治療
アニサキスの分泌物によってアレルギーを発症することがあります。その場合は、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬、重症であればステロイド剤を使用します。